マルチエフェクターを使っている皆さん。
マルチエフェクターで作ったセッティングで、アンプにつないで実際にギターを弾いてみたときに…

あれ、いつもと音が違う!全然使えね~!!

…って思ったことありませんか?
マルチエフェクターを使う場合は、マルチエフェクター内で使うアンプモデル、キャビネットモデルと実際に接続するアンプのセッティングについて注意が必要です。
アンプの基本

まず、アンプの基本的なことについて説明します。
自宅で使っているコンボタイプのアンプも、スタジオなんかにある大型のスタックアンプのように”プリアンプ部(簡単に言うとイコライザー部分)”と”パワーアンプ部(キャビネットとも言います。簡単に言うとスピーカー部分)”に分かれています。
↓ こんな感じです。
アンプにマルチエフェクターを接続する
実際にアンプにつないで解説していきます。
Inputへつなぐと…
マルチエフェクターでエフェクターモデルとアンプモデル、キャビネットモデルを選んで音作りをして、アンプの”Input端子”に接続すると、こんな感じ↓になりますよね?
で、まずマルチエフェクターで作った音を聞いてください。
曲は、Scorpions(スコーピオンズ)の”Rock You Like A Hurricane”です。
↓スコーピオンズは、こちらもご覧ください。

↓前ページで紹介したDigitechの”RP360”で作った音を直接パソコンにつないだ音
↓Digitechの”RP360”は、こちらをご覧ください。

↓次に、上記のようにギター → マルチエフェクター(RP360)→ アンプ(Input)とつないだ状態の音を聴いてみてください。
アンプはマーシャル”DSL5C”で、アンプからパソコンにつないだ音です。

全然違う音になってしまいましたよね?
音が痩せてしまい、キンキンして…、
とても聴けた音ではないですね……(^^;
これは、なぜかというと、図を見て分かるとおり、”プリアンプ部”と”パワーアンプ部(キャビネット)”を2回通過しているからです。
エレキギターの音は、エフェクターなど繋ぐものが増えれば増えるほど、ギターの音は痩せていきます。
これは、電気抵抗など、原音の妨げとなるものが増えるためです。
さらに、上記の接続方法ですと、マルチエフェクターで設定したアンプモデルとキャビネットモデルに、実際につないだアンプのキャラクターが追加されてるわけです。
Returnにつなぐ
そこで、スタジオなどでマルチエフェクターを使う際は、アンプの”Input端子”に繋ぐのではなく、”Return端子”に繋いでみましょう。

”Return端子”に繋ぐと、アンプの”プリアンプ部”を通さずに音を出すことができるからです。
↓”Return端子”はたいていアンプの裏側にあります。マーシャル”DSL5C”の裏側です。
↓すると、接続としてはこうなりますよね?
↓弾いてみるとこんな感じです。

どうでしょう?ちょっと良くなりましたね。

そうだな…。でも…、
まだちょっと、元々の音よりこもったような音かなという印象だな…
マルチエフェクターのキャビネットを外す

では、さらにマルチエフェクターのキャビネットモデルを外してみましょう。
↓こうなりますね?
↓弾いてみるとこんな感じになります。

大分スッキリしましたね♪

でも、元々の音とはやはり違います。
それは、元々作った音のキャビネットモデルと、実際につないだアンプの違いによるものです。
しかし、実際のアンプにも当然キャラクターがありますから、こればかりは仕方がありません。
アンプに合わせて微調整していきましょう!
逆に言うと、これがギターの音作りの面白さでもあるとおもいます♪

私は、今回の音作りで、マルチエフェクターだけで作った音よりも、アンプに通した方がデジタル臭さが減ったので満足しています♪
Returnがない場合

オレの持ってるアンプには”Return端子”ないよ。
どうしたらいいんだ?

そういう場合はInput端子に繋ぐしかないんですが…、
まず、アンプの設定をできるだけ味付けをしないクリーンな状態にするのがコツです。
そして、当然ですが、少なくともマルチエフェクターのキャビネット・モデルは外しましょう!
あとは根気よく微調整です!!
↓上記で紹介した音をアンプのInput端子に繋いで、マルチエフェクターのキャビネット・モデルを外して微調整した音です。

まだまだ調整が甘くて、若干キンキンというか、うねった音がしますが、あと少し作りこめば使えそうな音になってきました♪
あと気を付けたいのが、アンプを歪ませると、マルチエフェクターのエコーやリバーヴも歪んじゃうので注意しましょうね!
自宅での練習とスタジオなどで弾く場合の違和感を少しでも無くそうとするのであれば…、
① スタジオやライブで使うキャビネット・モデルを調べる。
② そのキャビネット・モデルをマルチエフェクターで選択して音作りをする。
③ 実際のアンプにつなぐ際には、マルチエフェクターのキャビネットモデルを外す。
このようにすれば、本番であまり手間をかけずにすむと思います。
アンプがローランドの”JC-120(ジャズ・コーラス)”のようなクセのないクリーントーンが出るアンプであれば、マルチエフェクターのアンプモデル等は外す必要がないかもしれませんね。
↓ジャズコの小型版(30W)
いろいろ試してみましょう♪
以上、マルチエフェクターを使う際の注意点でした!!
ハイエンド・マルチエフェクターのここがスゴイ!
なお、BOSSというメーカーがリリースしている”GT-1000”というハイエンドモデルには、つなぐアンプの種類や場所(InputかReturnか)を選ぶと、自動で音を調整してくれる機能が付いていたりします。

やはり、値段の高いものは違いますね…(^^;
↓この辺の話を6分20秒あたりから少し解説してます。



