概略
深刻な経済不安に陥っていた1970年代半ばのイギリス。
4人組のパンクバンド、Sex Pistols(セックス・ピストルズ)は、斬新なファッションに身を包み、反体制的かつ攻撃的な楽曲で、社会に不満を持つ若者から熱狂的な支持を得ました。
あまりにも反体制的な歌詞で放送禁止や演奏禁止になることもたびたびあり、レコード会社から契約破棄されることもありました。
もっとも、契約破棄されたことによって、バンドは巨額の違約金を手にすることになるわけですが…。
非常に短命なバンドであり、1975年にデビューしてから3年後の1978年には解散してしまいます(その後、何度か再結成していますが…)。
そして、この3年間にスタジオでレコーディングされたアルバムは、1977年に発表された”Never Mind the Bollocks(勝手にしやがれ!!)”のみです。

えっ!?
アルバム1枚だけ?
めっちゃ有名なバンドなのに…!

そうなんです!
驚きでしょ?
このアルバムの中には、ピストルズを代表する超有名曲2曲が収録されています。
”Anarchy in the UK(アナーキー・イン・ザ・ユーケー)”と”God Save the Queen(ゴッド・セイヴ・ザ・クイーン)”です。
Anarchy in the UK
”Anarchy in the UK”は、「イギリスに政府なんかいらない!」という内容で、全英シングルチャートで最高38位になりました。
Mötley Crüe(モトリー・クルー)やMegadeth(メガデス)、土屋アンナなどがカバーしています♪
↓”Anarchy in the UK”
※ このページにリンクのある楽譜は、Ultimate-Guitar.comに掲載のものです。パソコンでの閲覧を推奨します。
↓楽譜の使い方などはこちら。


ギター初心者におすすめの超簡単曲です!
ほぼパワーコードのみ。
魂飛ばして、思いっきりかき鳴らせ!
↓ レッスン動画。
↓レッスン動画やカヴァー動画をスロー再生させる方法が知りたい方は、こちらをご覧ください。

モトリー・クルーの”Anarchy in the UK”
↓モトリークルー・バージョンは、こちらをご覧ください。

土屋アンナの”Anarchy in the UK”
↓土屋アンナの”Anarchy in the UK”が収録されているアルバム。

結構いいね、これ。

でしょ!
残念ながら楽譜などは見当たりませんでした…。
God Save the Queen
”God Save the Queen”は、全英シングルチャートで最高2位を記録しています。
エリザベス女王在位25周年祝典の日に、テムズ川でゲリラライブを行って、イギリス国歌と同名でありながら、徹底した王室批判であるこの曲を演奏したことにより、メンバーは逮捕されています。
↓ ”God Save the Queen”
※ この曲も、ほぼパワーコードです♪
↓ レッスン動画。
↓ ソロのレッスン。
”カリスマ”Sid Vicious(シド・ヴィシャス)
1977年、ベースがGlen Matlock(グレン・マトロック)から”カリスマ”Sid Vicious(シド・ヴィシャス)に代わります。
シドの加入によって、ピストルズはよりスター性のあるバンドとなりました。
生き様がパンク

みんな、シドの何に惹きつけられたんですか?

そうだよね。
ベースも上手いわけじゃないよね?

それは、彼の生き様そのものが”パンク”だったからです!
Youtubeには、ライブの観衆をシドがベースでぶん殴る動画がアップされています。
また、観客から投げ込まれた物が顔面に当たって鼻血まみれでプレイしている姿は有名です。
シドの名前の由来

”シド・ヴィシャス”というのは、いわゆる芸名です。
シドは、元々ピストルズの熱狂的なファンでしたが、ファン時代から記者を殴ったり、ライブ中にビール瓶を投げたりなどの”狂暴”な性格でした。
一方、ヴォーカルのJohnny Rotten(ジョニー・ロットン)は、ハムスターを飼っていました。
このハムスター、名前をシドといいました。
そして、このハムスターがロットンの父親に噛みついたことから、”狂暴な”=Vicious(ヴィシャス)…ということで、シド・ヴィシャスという名前が付けられたとのことです。
シドとナンシー
シドは、麻薬中毒者でもあり、1979年には、麻薬の過剰摂取により21歳の若さで亡くなっています。
そして、シドの恋人のNancy Spungen(ナンシー・スパンゲン)も1978年にバスルームで何者かによって刺殺されています。
シドが麻薬中毒者であったことなどから、警察はシドが殺したと疑いをかけて逮捕しますが、レコード会社が保釈金を支払って釈放されています。
ナンシー刺殺事件の真相は未だに不明です。
このシドとナンシーの破滅に至る過激な恋愛は、”Sid And Nancy(シド・アンド・ナンシー)”という映画にもなっています。
映画では、逮捕されたシドが刑事にナンシーとのなれそめを聞かれて、回想していくという形でストーリーが展開していきます。
この映画では、シド役をGary Oldman(ゲイリー・オールドマン)、ナンシー役をChloe Webb(クロエ・ウェッブ)が演じています。
↓映画”シド・アンド・ナンシー”の予告編
椎名林檎の歌詞
また、シドの名前は、椎名林檎の楽曲の中にもたびたび出てきますね。
例えば、”ここでキスして。”の歌詞で、「現代のシド・ヴィシャスに手錠かけられるのは、只あたしだけ」とか、”シドと白昼夢”とかね…。
↓”ここでキスして。”
↓全パートのタブ譜動画
下手でも思いっきりかき鳴らせ!!
セックス・ピストルズは、”PUNK(パンク)”という概念を生み出し、紛れもなくロックの歴史を変えたバンドであると言えますが、その奇抜すぎるスタイルのせいか、昔から”ヴィジュアルを重視する日本”では、なかなか受け入れられていない印象があります。
バンド名に”SEX”が付いているせいもあるかもしれませんね・・・。
そして、演奏はお世辞にも”上手い!!”と言えるものではないです・・・。

でも、だからこそ!!
ギター初心者が演奏するにはちょうどいいんです!!
だって、下手でも気にせず、思いっきり弾けばいいんですからね♪
アルバム・グッズ
↓アルバム”Never Mind the Bollocks”
いまでもファンが多いため、いろいろなグッズも出ています。
↓ピック
↓Tシャツ
↓スニーカー
↓帽子



